徒然ぐせ vol.169

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編集長・原田のコンテンツエッセイ Vol.169


 この頃猫に縁があるようだ。雨の日に、会社のビルの裏のガラス戸を開けたら、舌を出してヨダレを垂れている猫がいた。思わずガラス戸を閉めてしまった。心の中でアイターと叫んでいた。頭の中ではヨダレがでているということは①歯槽膿漏で歯が悪くなっている。②口内炎になっている、などと考えている。
 スタッフに「ご飯はやった?」と聞きながら、「抗生剤を飲ませないといけないよね?」と聞いている。大雨の日だったので屋根のある会社の裏に来て良かったなと思っている自分に気が付いた。裏庭(猫の額のように小さい)には猫が座れる棚のようなものもあるし、塀もある。ご飯はやったそうなので、水をいつでも飲めるように置くように指示をして仕事にでかけた。
 帰ってくると、スタッフのみんなが「ゴミを捨てるために裏のガラス戸を開けるのが怖いです」と言う。猫が何時もいて目が合いそうなので…と。大丈夫、野良猫は大人になってから家の中で飼うのは並大抵なことではないのです。もちろん犬もそうですが、簡単にできることではありません。
 だから私が、「あの猫を保護しようとか思ってないのよ。大丈夫、捕まらないし、いま病気だから病気を治して下さいとやって来たと思えば良いの…」と言ったら安心していた。
 今まで外で、人間から恐怖しか与えられていない野良猫が簡単に飼えるわけがないのです。保護した猫というのは捨てられた元飼い猫や野良猫の子猫のことで、大人の野良猫と仲良くなるのは大変な努力が必要です。だから中に入ってこないから大丈夫とスタッフに言った。水を置きに行くだけで毛を逆立てるのに、近づくのはとても無理です。
 とりあえず、今は弱っているようだし(でも警戒心だけは強いのです)病気を治してあげようと努力し、無駄に近づかずに安心していられるようにしてあげることが大事なのです。
 これから先のことは分かりませんが、舌を出して痩せ細っている猫は助けを求めてきたと思って、回復するための援助をしようと思っています。